「さて、この契約についてですが」
「ええ」

宮崎は得意先の会社に出向き、説明しているところだった。

「この部分については……ふぅ」
「どうしましたか?」
「いや、何でもありません。それにしても……」
「それにしても?」
「いや、申し訳ない。こちらの事です。続きですが……」

もうグチョグチョじゃないか。
しっかりと絡み付いてきて、何とも言えん気持ちよさだ……

担当者に説明しながら、そんな事を思った宮崎。
テーブルの下、スラックスの中では、四十代後半には見えないほどの一物がそそり立っていた――



「んあああ!」

その感覚に、たまらず喘いだ浩美は扉近くの金属の棒にしがみついた。
何かが膣の中に入り込んでくる。
それは、生暖かくもとても硬い棒のようなものだった。
それが何だか、想像しなくても分かる。

いやっ、だめぇ!

膝を軽くまげて、片手でタイトスカートの上から股間を押さえるが、その侵入を阻止する事は出来ない。
膣壁を開きながら、奥へ奥へと入り込んだ……男の肉棒は、子宮口に当たって止まった。

膣がヒクついている。

「あうっ!」

肉棒は止まったままなのだが、今度は見えない手が直接乳首を摘み、弄くり始めた。
近くの椅子に倒れるように座った浩美は、体を抱きしめながらその快感に抵抗した。

いやっ、いやっ!こんなところで……そ、そんな事しないでっ!

言葉に出したい事を心の中で叫ぶ。
硬く勃起した乳首が摘まれ、指の腹でねじられる。

「はぁ、はぁ、はぁ……あっ……ひうっ」

見えない者に犯される。
それは恐怖としか思えないのだが、今の浩美はもはやそういう状況ではなかった。
まだ浩美の住んでいるワンルームマンションの近くの駅までは十分ほどある。
女性専用車両には先ほどの赤ちゃんを連れたお母さんを含めて、十五人ほど乗っていた。
その女性たち全員の視線が浩美に向けられているのだ。

み、見ないでっ!
私を見ないでっ!

「んっ、んっ……はっ……うぅっ」

人差し指をギュッと噛み、声が漏れないようにする浩美。
必死に耐えているのだが、先ほど軽くイッてしまった体は、更なる快感を求めようと加速するのだった。
肉棒は子宮口まで入り込んだまま動かないのだが、乳首は執拗に攻められている。

も、もう耐えられないっ……このままじゃ……ま、またイッちゃう!

そう思ったとき、電車の扉が開いた。
家への最寄の駅まではまだ二つあるが、もうこれ以上痴態を見られたくない。
気力を振り絞りながら、よろよろと電車を降りた浩美は、内股の足を震わせながら改札口を出た。
そして、ターミナルに停まっていたタクシーに乗りこみ、運転手に家の場所を伝えた。

「ううっ………んっ。か……神栗町十二丁目……はぁ、はぁ……んっ」
「は、はい……」

後部差席に座り、悩ましげな声で指示した浩美をルームミラーで確認した運転手は、その艶っぽく体をくねらせる仕草にドキドキしながら車を発進させた。
はぁはぁとセクシーな息遣い。
太ももをギュッと閉じて、股間を押さえる手。

「あっ……ああ」
「お、お客さん……だ、大丈夫ですか?」
「はぁ、はぁ、はぁ……ぁっ」
「…………」

運転手はいやらしい想像をしながら、ルームミラー越しにチラチラと浩美を見ていた。

まさか……バイブをアソコに入れてたりして。それで悶えているのか?

そんな事を聞くわけにも行かない運転手は、時折聞こえる「あっ、んんっ」という喘ぎ声に悶々としながら浩美を家まで送ったのだった――