「誰もいないんでしょ」
「うん。父さんは仕事だし、母さんは隣の家の人と出かけてる」
「じゃあ何でも出来るね」
「何でもって、何するつもりなのよ」
「ふふ、瀬梨夏ったら分かってるくせに!もちろん、こんな事よ」
「あっ!」

瀬梨夏の部屋に上がりこんだ恵美……いや、恵美の身体を乗っ取っている紀子は、瀬梨夏をベッドに倒して抱きついた。瀬梨夏の上に身体を預けている状態だ。

「紀子っ」
「今は妹の恵美よ」
「でも紀子じゃないの」
「したくない?恵美と」
「し、したくないって……」
「エッチな事!」
「……べ、別に……」
「瀬梨夏って、ちょっとレズっ気あるよね」
「ええっ!?」

恵美(紀子)がグッと瀬梨夏に顔を近づけてたずねた。

「違う?」
「そ、そんな事無いけど……」
「そうかな?そんな事言って、実はもう乳首が勃ってたりして」
「や、やだ。何言うのよ」
「恵美の身体ってさ、まだ開発途上だけど乳首を弄ってるとすごく気持ちよくなるんだよ」
「……そ、そんな事言われてもねぇ……」
「分からないでしょ!だから瀬梨夏にも教えてあげるよ」
「お、教えてあげるって……」
「私はもう楽しんだからね。瀬梨夏にも体験させてあげる」
「ど、どういう意味??」
「うふっ、こういう意味……」

恵美(紀子)はそう言うと、瀬梨夏の胸に顔を埋めた。

「の、紀子?……えっ!?」

何かに身体を引っ張られる感じがする。
それはまるで、身体から魂を抜き取られるかのようだった。

ズズズズズ……

始めて体験する感覚に戸惑う間も無く、瀬梨夏の意識は一瞬にして途切れた――