「優子っ!」
「あっ。さ、さくら……」

更衣室の前に着いた優子にさくらが声を掛けた。

「何処に行ってたの?探したのよ」
「あ……いや。ちょ、ちょっとトイレ……」
「長かったじゃないの。もう審査が始まるよ。早く行かないと……折角優勝するって言ってたのに」
「う、うん……わ……私、もういいの。今年は辞退するわ」
「ええっ!?ど、どうして?」

驚いたさくらは、口に手を当てて声を殺した。

「あ、うん。ちょ、ちょっとね……だから着替えるのよ」
「そんな、勿体無いよ。きっと優勝できるのに。あれだけ優勝するって言ってたじゃないの」
「そうなんだけどね……あっ」

そう言って優子が更衣室の扉を開けようとしたとき、またしても身体が動かなくなってしまった。
そして、ゆっくりとさくらの方へ歩いていったのだ。

(やだ、また勝手に身体が……)

「ほら、優子。早く」
「えっ……ち、違うのよ。私はそんなつもりじゃ……」

さくらは後ろを振り向きながら、審査会場へと小走りした。
そのさくらを追うように、優子も小走りを始める。
もちろん優子の意思ではなく、プラグスーツに『走らされている』のだが。

(そんなっ。私、身体が熱くなってるのに……それに皆の前であんなのが生えてきたら……)

不安な表情を隠しきれない優子だが、身体はもう審査会場に着いてしまっていた。
たくさんの学生達が見守る中、簡易ステージの上に並んでいるコスプレ衣装を着た優子たち。
男女合わせて50人くらいがステージの上に並んでいる。
さすがにこれだけ多いと選ぶほうも大変だが、既に票は偏っているようだ。
優子は男子生徒のみならず、女子生徒の視線も感じている。

「それでは集計結果が出たようです。今年のコスプレ選手権の優勝者は誰でしょうか?では5位から発表します」

司会をする生徒の声がスピーカーから流れる。
優子は順位のことも気になるが、それよりもプラグスーツが勝手に動き出さないか、変なものが出てこないかを心配していた。
足を閉じて、股間の前を隠すように両手を添えている。

(お願いだから何も起こらないで)

そう祈りつつ、3位の発表が。

「3位は昨年の優勝者、林 さくらさんで〜す!おめでとうございます」

大きな拍手に手を振って応えるさくらが、小さなトロフィーを受け取る。

「今年は3位だったわ。仕方ないわね」
「あ……うん」
「やっぱり優勝じゃない?」
「そ、そうかな……」

トロフィーを持って優子の横に立ったさくらと小声で話す優子。

「そして2位は……須藤 省吾さんで〜す!おめでとうございます」

2位は1年の可愛らしい男子生徒だった。
と言う事は、この状況からして自ずと優勝者が決定する。

「え〜。今年のコスプレ選手権の優勝者は……昨年2位だった沢神 優子さんですっ!優勝おめでとうございま〜す!」

そのアナウンスと同時に、拍手の波と歓声が会場を包み込んだ。

「よかったね優子。優勝だよ」
「あっ……はぁぁぁ……」
「ど、どうしたの?」

笑顔を作っていると思ったさくらだが、優子は眉毛を歪ませ、中途半端に口を開いた状態だった。

「ね、ねえ優子」
「はあ、はぁ……ぅっ……うん。あ、ありがと……」

下腹部を押さえ、必要以上に内股になって歩く優子の姿に首をかしげるさくら。

「はぁ、はぁ、はぁ……」
(やっ……やめて……み、皆が見てるのにぃ……は、早く……ぬ、抜いて……)

皆に気づかれないようにと思っても……

「大丈夫ですか?沢神さん」
「は、はい。はぁ、はぁ、はぁ」
「おめでとうございます。トロフィーと10万円分の商品券ですっ」
「あ、ありがとうございま……うっ……す」

震える手でトロフィーと白い封筒を手にした優子。

(あっ、あっ。そ、そんなに突いちゃ……あっ、だめっ)

心の中でそう叫ぶ。
白いち○ぽは、優子の膣内で伸びたり縮んだりしていた。
外からはその様子を伺い知る事は出来ない。
優子だけが分かり、体感しているのだ。

「それでは優勝した沢神さんにお聞きします。この10万円の商品券で何を買おうと思ってます?」

司会の生徒が優子にマイクを傾ける。
こんな状況じゃまともにしゃべれない……と思っても、何か言わないとこの状況から逃れる事は出来ないのだ。

「はぁ、はぁ。んっ……こ、この10万円で……んああっ!」

優子の切ない声が、マイクを通じてスピーカーから大きく広がる。
生徒達は驚いているようだが、そのセクシーな声と表情に興奮する男子生徒が多いようだ。

「ヒュ〜、ヒュ〜。いいぞいいぞぉ」
「可愛い声出しちゃってぇ」

などと言う声が生徒達から聞こえる。

(やだっ。もう許してよ……)

「セ、セクシーな声ですね。ええ……私も興奮してしまいました」

司会者は冗談を言いながらその場を繋いだ。

「はぁ、はぁ、ふ、服を買います……」

何とか声を出した優子が、拍手に包まれながら震える足でさくらの横に歩いてゆく。

「ゆ、優子……」
「はぁ、はぁ。も、もうだめ……」
「ど、どうしたのよ」
「うっ……んんっ、んっ」

優子はトロフィーと商品券の入った白い封筒を右手で持ち、左手をさくらの肩に置いた。
そして、その左手の上におでこを乗せると、目を瞑って小さな喘ぎ声を連発したのだ。

「優子?」
「んっ、んっ、ぁっ、ぁぁっ……ぃ、ぃぃ……ぁっ。ぁんっ……ぁ、ぁ、ぁっ、ぁ、ぁ、ぁ、ぁ、ぁぁぁ〜」

さくらの肩に添えていた左手に力が入る。

「い、痛いよ優子……」
「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ……ぁぁっ……はぁ、ううっ……ふぅん……」

プラグスーツに包まれた足をくねらせた優子は、こんな状況でイッてしまったのだった――